ドジャースはパドレスからFAとなっていたタナー・スコット投手(30)と4年7200万ドルで契約したことを発表しました。契約金が2000万ドル、後払いが2100万ドル、条件付きで5年目500万ドル+出来高の球団オプション、トレードで放出された場合は300万ドルのボーナスといった契約内容となっています。
今オフ、ドジャースは大幅な補強に成功していますが、FAマーケットでトップクラスのリリーフ投手であるスコット投手の獲得によりブルペンがさらに強力になりました。
プロフィール 成績
2014年にドラフト6巡目でオリオールズから指名され、2017年のデビュー以降はリリーフ投手として活躍しています。特にマーリンズに所属した2023年、マーリンズからシーズン途中にパドレスに所属した2024年は素晴らしい成績を残しました。2024年の地区シリーズで大谷翔平と対戦した4打席すべて三振に抑えた場面は非常に印象的でした。

引用元:タナー・スコット – サンディエゴ・パドレス – MLB – スポーツナビ
選手としての特徴
全体の投球のうちフォーシームが59.2%、スライダーが40.7%とほぼ2球種で組み立てています。投球コースを見ると、平均97マイルのフォーシームはゾーン内に投げ、スライダーは左打者のアウトローにあたるコースに投げることが多くなっています。球種が少なく、打者からすると狙っていても打てないボールだと言えるでしょう。
奪三振率が28.6%(MLB平均22.2%)と高く、打球が当たったとしてもゴロ率、被ハードヒット率・バレル率ともにリーグ上位の数値でした。一方で、四球率12.2%はMLB下位7%でスタッツ的には唯一の弱点であるといえます。
ドジャースのリリーフ投手
スコットの獲得で、フィリップス、トライネン、コペック(故障で開幕には間に合わないよう)に並び、試合終盤を任せられる投手を加えました。昨シーズンは投手の調子や相手打者によって柔軟に起用していましたが、今シーズンはクローザー、セットアッパーはどのような起用になるでしょうか?
また、昨シーズンは左腕のリリーフ投手がベシア、バンダのほぼ2名でしたが、スコットが加わったことにより、ブルペンの左右のバランスも向上しました。
メジャーの投手登録枠は最大13人ですが、大谷翔平が二刀流で登録できるため、大谷を合わせて先発6人、リリーフ8人で運用できそうです。ドジャースはさらに、カービー・イエーツ投手を獲得し、リリーフ投手の枠がいっぱいになっています。開幕ロースターは現時点では
右【フィリップス、トライネン、イエーツ、ブレイシア】+1人
左【スコット、ベシア、バンダ】
といった陣容になりそうですが、コペック、グラテロールといった故障者が復帰すると入れる枠がない状況になります。さらに、ナックやメイなどが先発ローテから漏れた場合、ブルペンで起用される可能性もありそうです。
今後は枠を開けるために、トレードによる放出などにより人数の調整がありそうです。