2024年、大谷翔平選手は肘のリハビリ中で打者に専念したシーズンでしたが、前人未到の50‐50を達成し、三冠王にも迫ってMVPを獲得しました。今シーズンは投手として復帰し、ドジャースに移籍してからは初めて二刀流として出場することになりそうです。日本のファンにとっては、3月に東京ドームでの開幕戦を控え、ますます楽しみなシーズンになりそうです。今回は2025年シーズンの大谷の活躍を予想していきます。
データから見る大谷の進化
2024年、すべて自己最高の打率.310、54本塁打、130打点をマークし、ホームランと打点のタイトルを獲得しました。初のホームラン王を獲得した2023年よりハードヒット率・バレル率の向上、三振率・チェイス率を改善させ、打撃のクオリティを向上させています(表1:データはbaseball savantより引用)。特にハードヒット率、バレル率はともにアーロン・ジャッジに次ぐ両リーグ2位で、長打力ではMLBで屈指の存在となっています。また、比較的苦手にしていた変化球の打率を向上させています(表2:データはbaseball savantより引用)。このようにメジャーでもトップの選手でありながら進化を続けています。結果的に打率は年々向上し、2021年以降は.257→.273→.304→.310としており、昨季は夏場に不調に陥ったような波を小さくできると、いよいよ首位打者、三冠王も見えてきそうです。
2023年 | 2024年 | |
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ハードヒット率 95マイル以上の強い打球を打った確率 | 54.2% | 60.1% |
バレル率 長打になりやすい打球速度・角度で打った確率 | 19.6% | 21.5% |
三振率 | 23.9% | 22.2% |
チェイス率 ボールゾーンのスウィング率 | 29.7% | 26.6% |
2023年 | 2024年 | |
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速球系 | .380 | .308 |
ブレーキング スライダー、カーブなど | .233 | .284 |
オフスピード スプリット、チェンジアップなど | .267 | .366 |
投手復帰により打席数が減少する?
2024年の開幕当初は2番打者として出場していましたが、1番を打っていたムーキー・ベッツの故障離脱により、6月からは1番に入りました。投手として出場していなかったこともあり、欠場は3試合にとどまり、159試合に出場してリーグ最多の731打席に立ちました。今シーズンは引き続き1番を打つようですが、投手復帰に伴い休養が多くなり、打席数は減少しそうです。どの程度の頻度で休養するか不明ですが、仮に投手として5月に復帰して中6日で先発すると、登板数は約20試合にになりそうです。登板した翌日に休養すると仮定すると、約140試合出場、約640打席、過去2年と同じペースでホームランを打つと45~50本ほどになります。
盗塁数はどうなる?
昨季最も飛躍したのは盗塁数でした。それまでの自己最多であった26個を大幅に更新する59盗塁を記録しています。キャンプからダッシュのトレーニングを重ね、試合中はコーチと投手の癖などを分析している場面は多くのファンにとっても印象に残っているでしょう。また、エンゼルス時代と比較してリードのスタンスや距離を改善し、盗塁数の増加につなげたようです。牽制の回数制限やベースの拡大などMLBのルール変更も追い風になりました。
ただ、昨年のワールドシリーズで盗塁の際に左肩を脱臼する大怪我をしたように、怪我のリスクが高い盗塁は減少すると予想する声が多くあります。実際にロバーツ監督も盗塁面で制限をすることを示唆しています。投手として復帰する今季はなおさらのことでしょう。一方の大谷はチームの勝利のために盗塁をしているという姿勢であり、必要な場面では盗塁を仕掛けていきたいと考えているかもしれません。ここは大谷本人とチーム側がどのように折り合いをつけるのかポイントになりそうです。
最後に予想した2025年の打撃成績と、fangraphsの予想も併記します。
2025年打撃成績予想 打率.315 本塁打45本 打点105 OPS.1050 盗塁20
(fangraphsの予想) 打率.280 本塁打42本 打点101 OPS.940 盗塁33
引用:Shohei Ohtani Stats: Statcast, Visuals & Advanced Metrics | baseballsavant.com
Shohei Ohtani – Stats – Batting | FanGraphs Baseball