2025年のドジャースは東京シリーズで開幕し、カブス相手に2連勝して幕を開けました。開幕8連勝まで伸ばし、最高のスタートとなりました。しかし、その後は3カード連続負け越しを喫すなど調子の波がありながらも、21勝10敗で4月を首位で終え、WS連覇に向け好スタートを切りました。今回は3・4月の戦いを振り返っていきます。
3・4月 勝敗表
日付 | 対戦相手 | 勝敗 | スコア | 先発投手 |
3/18 | @CHC | 〇 | 4-1 | 山本 |
19 | @CHC | 〇 | 6-3 | 佐々木 |
27 | DET | 〇 | 5-4 | スネル |
28 | DET | 〇 | 8-5 | 山本 |
29 | DET | 〇 | 7-3 | 佐々木 |
31 | ATL | 〇 | 6-1 | グラスナウ |
4/1 | ATL | 〇 | 3-1 | メイ |
2 | ATL | 〇 | 6-5 | スネル |
4 | @PHI | ● | 2-3 | 山本 |
5 | @PHI | 〇 | 3-1 | 佐々木 |
6 | @PHI | ● | 7-8 | グラスナウ |
7 | @WSH | ● | 4-6 | メイ |
8 | @WSH | ● | 2-8 | ロブレスキー |
9 | @WSH | 〇 | 6-5 | ナック |
11 | CHC | 〇 | 3-0 | 山本 |
12 | CHC | ● | 0-16 | 佐々木 |
13 | CHC | ● | 2-4 | グラスナウ |
14 | COL | 〇 | 5-3 | メイ |
15 | COL | 〇 | 6-2 | ナック |
16 | COL | 〇 | 8-7 | ミラー |
18 | @TEX | 〇 | 3-0 | 山本 |
19 | @TEX | ● | 3-4 | 佐々木 |
20 | @TEX | 〇 | 1-0 | グラスナウ |
22 | @CHC | ● | 10-11 | メイ |
23 | @CHC | ● | 6-7 | カスパリウス |
25 | PIT | ● | 0-3 | 山本 |
26 | PIT | 〇 | 8-4 | 佐々木 |
27 | PIT | 〇 | 9-2 | グラスナウ |
28 | MIA | 〇 | 7-6 | メイ |
29 | MIA | 〇 | 15-2 | ドレイヤー |
30 | MIA | 〇 | 12-7 | ゴンソリン |
4月終了時 NL西地区 順位
W-L | 勝率 | ゲーム差 | |
LAD | 21-10 | .677 | – |
SD | 19-11 | .633 | 1.5 |
SF | 19-12 | .613 | 2.0 |
AZ | 16-14 | .533 | 4.5 |
COL | 5-25 | .167 | 15.5 |
東京シリーズで開幕 球団記録の開幕8連勝
2025年のドジャースは、2年続けて海外での開幕を東京で迎えました。日本人選手が3人所属するドジャースと、今永・鈴木が所属する名門カブスの試合ということで、日本でも開幕前から大変盛り上がりました。開幕戦は山本由伸が5回1失点で、ドジャースの日本人では野茂英雄、黒田博樹に続いて3人目の開幕投手を勝利で飾りました。第2戦は佐々木朗希のMLBデビュー登板は3回で5四球と制球に苦しみながらも1失点でしのぐと、エドマン、キケ・ヘルナンデス、大谷のホームランで快勝しました。MVPトリオのうち、ベッツとフリーマンを欠き、不安を抱えた開幕でしたが、東京シリーズを連勝とします。
本拠地ロサンゼルスに戻り、アメリカ本土で迎える初戦はタイガース戦。昨年のサイヤング賞投手スクーバルとの対戦は、テオスカーヘルナンデスの逆転3ランが飛び出し、スネルは移籍初登板初勝利を挙げました。タイガース2戦目は、体調不良で体重が10kg以上減少したことでコンディションが心配されていたベッツが劇的なサヨナラ3ランを放ちます。タイガースに3連勝し、続くブレーブスにも連勝で迎えた3戦目。序盤に5点を先制されながらも、2本のホームランなどで追いつき、9回には大谷翔平が今シーズン第3号となるサヨナラホームランを左中間に叩き込んで試合を決めました。この日は大谷のボブルヘッドが観客に配布される「ボブルヘッドデー」であり、特別な日を最高の形で締めくくりました。
これで開幕8連勝とし、ブルックリン時代の1955年に10連勝以来70年ぶり、ロサンゼルス移転後に限ると1981年の6連勝を更新する記録となりました。
故障者が続出 早くも先発投手が不足
昨年は先発投手に故障者が続出し、プレーオフでも先発投手の駒不足に悩まされたのは記憶に新しいところです。今シーズンは山本、佐々木、スネル、グラスナウ、メイの5人で開幕しましたが、スネル(左肩の炎症)とグラスナウ(右肩の炎症)は早くもIL入りしています。エース級の活躍が期待された2人が早くも離脱したことは痛手でしょう。
4月30日にはゴンソリンが復帰し、カーショウはマイナーですでに登板しているため復帰が見込まれます。しかし、MLB1年目の佐々木と故障から復帰したメイ、ゴンソリン、カーショウは不確定要素が多く、計算できるのは山本のみといった現状でしょうか。また、中6日でローテーションを回しているため、連戦が続く5月はミラー、ナック、ロブレスキーといった投手をマイナーから昇格させるか、カスパリウスなどブルペンの投手に長いイニングを任せる場面が出てきそうです。
先発投手だけでなく、ブルペンにも故障者が出ています。勝ちパターンでは、コペック、グラテロル、フィリップス(4月19日に復帰)が開幕から不在でした。さらに昨年からフル回転していたトライネンが右前腕の張りで4月19日にIL入りしました。勝ちパターンはFAで獲得したスコット、イエーツが安定しており、ルーキーのドライヤー、当初はマイナー契約だったガルシアらが意外な活躍を見せてブルペンを支えています。
大混戦のNL西地区
4月終了時点で勝率.677とドジャースの強さは相変わらずでした。しかし、独走とはならず、2位以下にぴったりとパドレス、ジャイアンツと続くハイレベルなペナントレースになっています。
パドレスはドジャースに次ぐ開幕7連勝、ホームでは開幕11連勝とロケットスタートを決めます。4月後半にペースダウンしましたが、ドジャースに1.5ゲーム差の2位で4月を終えました。特にタティスJrが打率.345、8本塁打、OPS1.011の大暴れ。メリル、アラエズら中心選手が故障で離脱する中で、タティスJrの活躍でチームを牽引しました。投手は好調で、30試合中7試合がシャットアウト勝ちでした。特にクローザーのスアレスを中心としたブルペンが盤石でした。一方で、先発投手の層の薄さや、故障者が多いことで下位打線が迫力不足であることが課題です。
ジャイアンツは19勝のうち15勝が3点差以内と接戦をものにして、ドジャースと2ゲーム差の3位につけています。目立っているのは昨シーズンMLB1年目の大半を故障で棒に振ったイ・ジョンフです。3番センターに定着し、チームを攻守で引っ張っています。アダメス、チャップマンといった中心選手は本調子ではありませんが、今後さらにチームに勢いをつけられるのでしょうか。
4位のダイヤモンドバックスも16勝14敗で、昨年リーグ最多得点だった打線は健在です。まだまだ優勝争いに絡む可能性は大いにありそうです。
ドジャースは5月にダイヤモンドバックスと直接対決が7試合予定されています。パドレス、ジャイアンツと直接対決があるのは6月となっており、それまでにどのような順位・ゲーム差になっているのか注目です。