ドジャースは先発投手の補強が今オフ最大の課題でしたが、FA市場トップクラスのブレイク・スネル投手を5年1億8200万ドルで獲得しました。
今回はスネル投手のプロフィール、投球の特徴を分析していきたいと思います。
プロフィール
2011年にドラフト1巡目追補(MLB全体52位)でタンパベイ・レイズから指名されました。2016年にメジャーに昇格し、6勝をマーク。メジャー3年目の2018年に共にリーグトップとなる21勝、防御率1.89とし、サイヤング賞を獲得。
2020年オフにトレードでパドレスに移籍し、2023年に14勝、234奪三振、防御率2.25を記録して2度目のサイヤング賞を獲得します。
その年のオフにFAとなり大型契約を狙うも契約がまとまらず、2024年3月にようやくジャイアンツと2年6200万ドルで合意。シーズン序盤は調整不足で不振だったものの、後半に調子を上げ、最終的に20試合登板で5勝、防御率3.12の成績を残します。
2024年オフにオプトアウト権を行使して2年連続でFAになりました。そして11月26日、ドジャースと5年1億8200ドルで契約しました。
通算成績
引用元:ブレーク・スネル – サンフランシスコ・ジャイアンツ – MLB – スポーツナビ
サイヤング賞の栄冠に2度も輝いているスネル投手ですが、規定投球回に到達したのはその2年のみであり、そのほかの年は離脱している期間があるようです。
投手としての特徴
球種
フォーシーム | カーブ | チェンジアップ | スライダー | |
割合 | 46% | 26% | 18% | 10% |
球速 | 95.9 | 81.1 | 85.5 | 88.7 |
被打率 | .200 | .111 | .236 | .167 |
表のようにフォーシームを軸に4種類の球種を投げています。多くの球種で打者を手玉に取るタイプではなく、球種1つ1つのクオリティが高いタイプのようです。
特に目を引くのがカーブの被打率。さらに、カーブはWhiff%が49.8%と、打者がスイングしたうち半分は空振りが取れていることになります。
共に高い奪三振率、与四球率
スネル投手の成績で目立つのは、高い奪三振能力と与四球率も高い点です。2024年の奪三振率は34.7%、通算でも30.2%で、リーグ平均の22.6%を大幅に上回っています。一方で、与四球率10.5%もリーグ平均の8.2%を上回っています。
引用元:Blake Snell Stats: Statcast, Visuals & Advanced Metrics | baseballsavant.com
ドジャースの起用法
FA市場の先発投手で注目されていた、フリードはヤンキースと8年2億1800万ドルで契約、まだ去就の決まっていないバーンズもかなり大型の契約になりそうなところ、スネルと5年で契約できたことは大きな収穫だと思います。この後は、佐々木朗希の契約を最優先に、トレードや短期契約で補強する可能性はありそうです。
2025年は、グラスノウ、山本、大谷と並び、ローテーションを引っ張る役割となっていきそうです。故障リスクが高いことが懸念ですが、ドジャースは6人制ローテーションを採用する見込みで、中5~6日で回すことが想定されます。レギュラーシーズンは無理せず、ポストシーズンで圧倒的な投球を見せることが期待されていると思われます。奪三振率が高く、結果が運に左右されない点はポストシーズンで重要なポイントであり、ドジャースがスネルを獲得した要因の一つかもしれません。グラスノウ、スネル、山本、大谷の4人が健康であれば、ポストシーズンのローテーションはかなり強力でしょう。